研修プログラム開発、研修実施ノウハウ5

研修プログラム開発、研修実施ノウハウ【研修準備】

初めて研修プログラムやカリキュラムを開発する、講師として登壇するという人事や講師の方向けに、開発時、研修実施時のヒントやノウハウをまとめています。


5.研修準備:研修効果を高める準備を行う


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2007年に、ロバート・ブリンカーホフ教授が、世界最大の人材開発カンファレンスで発表した「4:2:4 の法則」があります。

 それは、「研修の成果が上がらない要因」を調査した結果で、受講者のレディネス(事前準備、環境整備)の不足が4割、研修自体の悪さが2割、実施に対する環境上の障害が4割というものです。研修自体の内容よりも、受講者の研修に対する準備や、実施した後のフォローや環境上の障害の方が、研修成果に対して影響が大きかったという事です。

 モチベーションが低いまま参加したり、業務がたくさん残っていて心配な状況で参加したり、送り出す上司が前向きでなかったりすると、研修当日の受講姿勢はいいものにはならず、意欲が低い分、受け取る情報や内容も薄くなります。

 研修が非常にいいもので、意識も意欲も変わり、行動変容しようと意気込んでいても、それを受け入れる職場が否定的であったり、活用する業務や環境がなければ、時間とともに意欲も下がり、実践しない分、形骸化していきます。

 ここで、認識しておきたいことは、研修の内容が重要ではないということではなく、研修実施自体に力が注がれがちですが、可能な限り、事前準備と事後の体制について運営側がフォローをしておくことが有効ということです。

 例えば、事前準備であれば、上司面談(期待を伝える)、事前アンケート、事前課題、テキストの事前読み込みを実施することで、研修の重みを理解してもらったり、参加意識を高めることができます。

 研修終了後については、フォロー研修の実施、実施数カ月後の取り組み結果に対するレポート提出の要求、受講者同士の共有会の他、研修内容を上司や部下など周囲に共有する機会を設けることで、自身で研修内容を見返し理解する機会を再度つくる、その他、阻害要因(モチベーションを下げる要因)の排除などがあります。

 時間や予算の関係で、できることには限りがあると思いますが、せっかく時間とお金を投資して実施する研修を、ただ実施した、で終わらせず、効果を最大化するためにも、実施前と実施後の支援を考えておきましょう。